令和6年5月25日(土)開催 国民文化講座 詳細はこちら

理事長挨拶

小柳志乃夫

小柳 志乃夫
元株式会社日本興業銀行

日本の国は遠く神話にさかのぼる悠久の歴史をもった国です。皇室を中心として和を貴ぶ国柄が今に続くとともに、遠い祖先の心を記紀万葉をはじめとする多くの古典に偲ぶことができる稀有な国です。この国柄と国語の伝統とは日本文化の大切な一本の柱であり、中世以降の武士道などとともに、先人が育て、守りついで来た宝です。しかし、明治以降、近代化の過程で文化伝統の軽視の風潮が生まれ、特に敗戦後の占領統治時代にわが国の歴史の断罪が行われました。その後遺症は今もなお政治・教育などの各分野に残って、日本人本来の豊かな情操や主体的にものごとを考える力の衰弱をもたらしているように思われます。

「公益社団法人 国民文化研究会」略して「国文研」というこの団体は、昭和31年、戦後教育で忘れ去られた日本の良き伝統文化や尊い歴史伝統を、次代を担う大学生や若い人達へマンツーマンで伝えていきたいと決意して発足しました。

この理念のもとに、毎年夏に「合宿教室」というセミナーを開催し、先人の言葉に思いを寄せ、互いに心を開いて語り合う体験を通して、日本人として誇りをもって生きるよう研鑽を続けております。参加者も延べ1万5千名を越えました。また、全国各地で古典や短歌の研修の場を開催し、多数の参加をいただいております。

今日、安全保障環境を始めとして国際情勢が激変する中で、わが国の主体性が求められ、国民の拠って立つ足場の確立が求められています。本会はマン・ツー・マンでの運動によって青年の魂に灯をともし、国際社会の中でも自信を持って対応していける人材、次代を担う人材をさらに育成していきたいと考えております。

なにとぞ本会の微意をお汲み取りいただき、お力添えをお願い申しあげます。